海外に住むメリット、デメリット②

海外に住むメリット、デメリット②

前回はアメリカの労働環境の良さについてのお話でしたが、もちろん難しい面もあります。一番は言語の問題です。海外で仕事をするということは、基本的にその国の言語で仕事をするということです。アメリカでは英語ですが、外国語でのコミュニケーションは難く、誤解を招く場合もあり、ストレスのたまるものです。また文化的な違い、外国人にはその国の常識が常識として備わっていないことも、コミュニケーションを難しくします。

またアメリカでは日本と比べて個人の評価制度が徹底していると思います。大学でも授業ごとに学生の評価が点数となってでてきます。コメントもいただき中には厳しいものも多くあります。大学側はそれをデータとして先生の評価に使います。それ以外にも研究成果や大学へのサービス(委員会の仕事など)も評価され、それがRetention(仕事の継続)、Promotion(昇進)の判断に繋がります。

テニュアをとる前に悪い評価をもらうと、最悪大学を辞めなくてはいけません。そんなに頻繁に起こることではありませんが、数年に一度はあり、僕も辞めさせられた先生方を何人か知っています。その辺はかなりドライ。

また、個人主義がうまく行っている時は前回書いたように組織はうまくまわりますが、価値観のぶつかり合いが起きた時には、その衝突のパワーはすごいものです。アメリカ国内のニュースを見ても民主党、共和党のぶつかりあい、人種間のぶつかり合いに象徴されるように、大学内でも時々そういった大規模な衝突があり、教授陣専用のメーリングリストで炎上が繰り返された経緯があります。

こういった衝突がおこると組織への信頼や忠誠心は低下しますし、働く喜びも低下するでしょう。良くも悪くもアメリカ人は概して熱い人たちで、それに慣れていない日本人にとっては厳しい環境ともなりえると思います。

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