ガーディアンに掲載されたオオサンショウウオの記事

ガーディアンに掲載されたオオサンショウウオの記事

野生動物写真家の福田さんの素晴らしい写真をカバーに、イタリア人のジャーナリスト、マラ・バッジェンさんの記事が昨日1月12日、イギリスの大手ニュースペーパー・ガーディアンに掲載されました(写真をクリックすると記事に飛びます)。

マラさんからは昨年の秋に連絡があり、ズームにてお会いしました。いろいろと質問に答えて、共有された記事の原稿にはそれなりに僕の意見も反映されていたのですが、掲載記事からはだいぶ省かれ、イギリス人のリチャード・ピアスさん中心の記事になっていました。苦笑。僕のインタビューの内容は記事後半に掲載されています。

イギリスの新聞なので、そういう配慮になったのか。一番大事なのはオオサンショウウオが置かれている懸念すべき現状を多くの人に知ってもらうことなので、これはこれでOK。

ただし以下の記事の終わりの部分は誤解を招きかねない。

「Pearce says. “I honestly believe that if I don’t do anything in time, no one else will.”」

「ピアスは言う、今私が行動を起こさなかったら誰もやらないだろうと」

その地域では彼しか行動していないという意味なのかもしれませんが、それまでの文章を読むとまるで日本人が何もやっていないかのようにも受け取れます。実際は、日本オオサンショウウオの会の方々、日本ハンザキ研究所の方々、そして少ないけれど大学の研究者や、各県のボランティアさんたちが(たいてい)無償で保全努力をしているのに。

最近、三重県・奈良県の河川のオオサンショウウオ調査の報告書に関わる機会がありましたが、代表の方は10年も調査を続けすばらしい成果をあげていて頭が下がる思いでした。

マラさんは記事が掲載された際には連絡をくれると約束しましたが、連絡もなく、たまたまスマホが僕の好きそうな記事を見つけてくれて知りました。

メディアと付き合うと多少なりともこういう経験はあるのでしょう。あまりひどいと不信感を抱きますが、うまく共生関係を築いてゆきたい。研究者は往々にして研究成果や知識を一般市民に共有するのができない、もしくは苦手。そこでマラさんのようなジャーナリストが橋渡し役を買ってくれると助かるのです。

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