少し残念な大学内の多様性
こんにちはミズキです。
セメスターが始まり3週間が過ぎ、ようやく落ち着いてきました。紅葉が少しづつ始まり、明け方は20度を下回るようになりました。午前中のランニング、論文の手直しを終えて、久しぶりのブログです。
今年の新入生のデータが公表されました。大学全体での新入生は1046人。そのうち白人以外の学生(Students of color)が225人(21.5%)、留学生(International students)が42人(4%)です。8割が白人で、9割五分以上がアメリカ人ということで、だいぶ多様性に乏しい大学です(苦笑)。
アメリカ政府発表のデータによると、白人は75.8%、外国で生まれた人は全人口の13.5%ですから、アメリカ全体と比較しても芳しくありません。
根本原因としてはこの地域が保守的な白人中心のとてつもない田舎であること。そしてキャンパスの多様性が極端に乏しいため、Students of colorは来るのを躊躇すること。Students of colorや留学生に十分な奨学金が割り当てられていないこと、などがあります。ちなみに日本からの留学生は全学通して、2人です(ガンバレ!)。
生物学専攻となるとさらに多様性は低下し、僕の担当するクラス25人の新入生中、見た目で判断して白人以外の学生は、 中国系、インド系、ラテン系の3人(16%)です。3人とも僕のオフィスに話に来てくれて個人的に話すチャンスがありましたが、オフィスではよく喋ってくれるんです。そんな彼女たちがクラスになるととてもおとなしくなる…無理もありませんよね。
特にラテン系の学生はとても元気で、自分の家族のことや友達のことをたくさん話してくれました。ロサンジェルス出身で高校はラテン系の学生ばかりだったため、白人ばかりのクラスにはなかなか馴染めないようです。
また、自分と異なるバックグランドを持つ人と1対1で接するのと、自分が少数派として集団の中に入ると、印象は全くことなります。集団の中のマイノリティはすごく心細く感じるものです。この学部の仲間と仕事をしてもう10年以上になり、割と中の良い人も多くいますが、学部の先生の会議になると、白人ばかりで未だに圧倒され、なかなか発言する勇気がでなかったりということが今でもあるんです。
そういう経験をしたからこそマイノリティの学生の気持ちや接し方も分かります。自分の苦労や弱味がこういう所で強みに変わり生きるんだなぁと、しみじみ思うことがここ数年たくさんありました。苦労している学生にはこういう話を良くします。
今僕の研究室には6人の学部生と1人の大学院生がいますが、そのうちStudents of colorは何と5人(71%)!留学生は1人ですが、7人中1人ですから14%です。僕と中国からの留学生の訛り英語も飛び交い、和気あいあいで、居心地の良い研究室です。