
春に現れる池 – Vernal pool
アメリカに住んでいて恋しくなる日本の要素はたくさんありますが、その逆というと実はあんまりないんです。苦笑。でもVernal poolはその一つ。

Vernal poolを直訳すると春の池。アメリカ東部では地下水面の上昇・下降のサイクルに合わせ、春に現れて、秋に消える池が森の中に点在します。水深は50センチから1メートルのものがほとんどで、ごらんのように半水生の植物が多くみられます。
ちなみに、Vernal pool以外に恋しくなるアメリカの他の要素は、「アメリカの人々」と「ビール」…(笑)。
ビールに話をもっていかれそうですが、Vernal poolに戻りましょう。
秋になると水が無くなり消えてしまうという池の特徴は両生類にとってとても大事です。なぜなら両生類の卵や幼生をたべる魚がその池では生きていけないからです。その他両生類の天敵の水生昆虫の数も抑えられるという研究結果もあります。
森にすむ両生類の多くが、天敵が比較的少ない春池(はるいけと命名)を頼りにして命をつないでいるのです。
昨日はお気に入りの春池に学生と二人で実験用の材料を集めに行ってきました。

池の周りを囲む、ナラやモミジの枯れ葉が池にたまり、その葉からでるタンニンのために池の水は黒みがかっています。北米アカガエルのオタマジャクシがいたるところに泳ぎまわっていました。お目当てのイモリは二匹だけ。急遽予定を変更して水生昆虫、トビケラの幼虫を採取しました。


春池で一番美しいと思うのはキボシサンショウウオ(Spotted salamander)の卵塊(卵のかたまり)。この池では水生植物の上に毎年大量の卵塊が産みつけられます。日本のクロサンショウウオの卵塊と似ているかもしれませんね。

自然は本当に偉大だなと思います。どんな芸術作品より美しいなと思います。もちろん個人の意見ですが。
ー 瑞樹
2 thoughts on “春に現れる池 – Vernal pool”
写真の池、すごーく綺麗ね。
でも実験のためとはいえ、イモリやらトビケラなんかを捕まえてる、なんて聞くとやっている事は子どもたちと一緒…?なーんて思ったりして(笑)。お疲れ様です😁
本当に自然の偉大さ、美しさは何ものにも代えられないよね。誰もが自然の恩恵を受けて生きているのに、ごみを捨てたり、木を伐採したり…。矛盾してるよなー
ポチ
>イモリやらトビケラなんかを捕まえてる、なんて聞くとやっている事は子どもたちと一緒…?なーんて思ったりして(笑)
ま、まそー言わずに。苦笑。
矛盾してるんだよね。でも気づくのはなかなか難しいんだと思う。日々の生活もあるしね。だからこそ環境教育が大事なんだが…。今の子供たちには自然にいっぱい触れて育って欲しいよね。
瑞樹