ハーフは十分日本人だ
みなさんこんばんは。今日で春セメスターの授業も終了。桜も葉桜に変わり、ダウンジャケット無しで外出できる日が続くようになりました。
夕方から一人の学生とミーティングをしました。お母さんが日本人、お父さんがアメリカ人で、僕が顧問をしているJapan Associationという学生のクラブの部長を務めているしっかり者。
彼女の日本語は上手ですが読み書きが苦手、とのことで、上級日本語の授業をとっています。その授業の課題で作った3分ほどのビデオを見せてもらいました。タイトルは日本語で「半分」。結論は「半分は十分日本人だ」。
彼女は日本のことが大好きですが、小さい頃には日本では「外人」と嫌がらせを受け、アメリカでも日本人の子供たちからいじめを受けた過去があったことを知りました。残念ながら驚くことではないのかもしれません。けれども、身近な存在からこういった過去を聞かされると重さが違います。
アジア系学生クラブの顧問をしてあらためて学んだことは、アジア人といっても、アジアからの留学生(Asian Asian)とアメリカで生まれたアジア人(Asian American)の間には、思いのほか深い溝があるということです。
僕は留学生でしたから、Asian AsianがにAsian American 対して抱く劣等感が良く分かります。英語が流ちょうに喋れて、文化的にも精通しているAsian Americanに圧倒され、時にはバカにされていると感じることも…。
一方Asian Americanの方も、アジア人というカテゴリーに分類されるのに、自分にはアジアの言葉も喋れないし、アジアの文化も知らないという劣等感があることを知りました。
ミーティングに来た彼女と話したのは、Japan Associationが両者をつなぐクラブになると良いね、ということでした。クラブメンバーにはアメリカ人の学生もいるので、その輪はさらに広がります。アメリカ社会の分断化がすすむ中、inclusiveなクラブであって欲しいと思います。
そうそう、実はミーティングの目的は別にありまして、彼女は今年の秋から僕の研究室に加わり、両生類の研究のお手伝いをしてくれることになりました。研究室のペットのカエルやサンショウウオをみせると「カワイイ~」と喜んでいたので、見どころありです!
関連論文を2本渡して、「Have a great summer!」と言ってミーティングを終えました。
― 瑞樹
3 thoughts on “ハーフは十分日本人だ”
アメリカに根強く残る人種差別問題、「I have a dream」とキング牧師が演説したのは1960年代、時とともに私達は少しずつでも何かを学んでいるのだろうか?
日々忙しい毎日を過ごしている瑞樹さん、ようやく今期のセメスター終了ですね、お疲れ様でした🙌授業だけでも忙しいだろうに、ひとり一人の学生への対応、大変だなー…。
まー、忙しさはほどほどにして、ワテクシの相手もお忘れなきようお願いしますー…(❁´◡`❁)
ポチ
ありがとさん、ポチ。絵文字すごいやつでてきたね。笑
人種差別問題は本当に根強いよね。ただ大きなスケールで見ると確実に前進してるのも事実。黒人であるオバマ氏が大統領になるなんて50年前は誰も想像してなかったと思う。彼の前向きな姿勢には脱帽。昔のスピーチを聞くたびに自分もがんばろうと思わせる力が彼にはあるよね。
瑞樹でした。