DNAから見える世界
先日の日曜日、学生さんと野外に水サンプルを集めに行ってきました。
池や川の水にはそこに住む生きものたちのDNAが含まれていて、そういうDNAを環境DNAと呼びます。環境DNAを上手に分析すれば、そこの川や池にどんな動物が住んでいるのか、動物を自体を見つけることなく分かるのです。
今までは1種類の動物(主にオオサンショウウオ)の環境DNAを調べる研究をしてきましたが、今年から学生たちと共同で複数の動物の環境DNAを検知する方法にチャレンジしています。そのための水サンプルを採取にいったのでした。
3つの池と2つの小川からサンプルを採取。これらの池や川は長年の経験でどんな両生類が住んでいるのか知っています。まずは試しに、それらの両生類が環境DNAから検知できれば成功、というわけです。
小川で石をはぐると、スプリングサラマンダーの幼生と成体が見つかりました。この子たちのDNAが自ら検出できれば良いのですが…。
天気も良く、学生たちともいろいろ話せて楽しい一日でした。
余談ですが、調査に行ったのはアジア系の学生が2人、黒人の学生が一人、そして僕。この地域はほぼ みんな白人なので(大学もその傾向)、この4人が池や川で調査する光景は相当珍しいものです。白人の中にはいぶかしく思う人もいて、僕も何度か嫌な思いや怖い思いをして、対応方法を学びました。アメリカにおける生態学・保全学の分野はまだまだ白人研究者ばかりで、非白人に対する偏見などもあり苦労は多いと思いますが、学生たちにも頑張ってって欲しいと思います。
瑞樹